
知らないのに知った ふりをする 子供
「ねえ、これ知ってる?」「知ってるよ!」……まだ説明も終わっていないのに、食い気味に返されると「本当にわかってるの?」とモヤモヤしてしまいますよね。
親としては、嘘をつく子になってほしくない、学校で恥をかいてほしくないという愛情ゆえに、つい厳しく指摘したくなるものです。
しかし、この「知ったかぶり」は、実は子どもなりの精一杯の自己防衛や、コミュニケーションの背伸びであるケースがほとんど。
私の息子も「あー背伸びしてるな」と思うことは多々あります。
ですが、よく考えれば私の幼少期も「知ったかぶり」をよくしていたのも事実でした。
この記事では、そんな体験を解説しながら「知ったかぶり」の子どもの心理を紐解き、否定せずに本音を引き出すための関わり方をご紹介します。
目次
子どもが「知ってる」と言うときの意外な本音とは

子供 知ってる と言う
「知ってる!」という言葉が反射的に出る背景には、周囲に認められたいという承認欲求が隠れています。
児童全体の約2割から3割程度が、日常的にこの「知ったかぶり」を経験すると言われており決して珍しいことではありません。
子どもにとって「知らない」と認めることは、その場の話題から取り残されるような不安や、無知をさらけ出す恐怖を感じる行為なのです。
特に好奇心旺盛な時期は、相手との繋がりを持ちたい一心で、つい言葉が先行してしまいます。
親としては「嘘をついている」と捉えがちですが、子どもにとっては「あなたと同じレベルで話したい」という構ってほしい裏返しでもあります。
親の忍耐が必要になりますが、まずは「そうなんだね」と一度受け止めることで、子どもの心のガードを下げることが対話をスムーズにする第一歩となるでしょう。
子どもの知ったかぶりは成長の証?

子供 知っ たかぶり
知ったかぶりをする姿を見ると「このままだと将来困るのでは」と不安が募りますが、実はこれ、社会性を身につけようとする過渡期に見られる行動でもあります。
相手の話に合わせようとする「同調」の意識が芽生えている証拠でもあるからです。
全く興味がなければ、知ったかぶりをする必要すらありません。
しかし、この状態が続くと、新しい知識を吸収する機会を逃してしまうのも事実。
大切なのは、知ったかぶりを「悪」と決めつけないことです。
「知っているフリをしなければならないほど、頑張ってその場に馴染もうとしているんだな」と、まずは親がその健気さを認めてあげてください。
親が余裕を持って接することで、子どもは少しずつ「知らない」と言える安心感を得られるようになります。
知ったかぶりの心理にある子どもの「不安」

知っ たかぶり 心理 子供
私も小さい頃、すぐバレるのに「知っている」と言い張っていた時期がありました。
なぜその時、「知っている」と言い張ったのか不思議でなりません。
調べてみると、その心理の根底には、自分を大きく見せたい「万能感」への執着や、失敗を極端に恐れる気持ちが潜んでいました。
また、相手の表情を読み取りすぎて、「期待に応えなきゃ」とプレッシャーを感じている場合も少なくありません。
子どもの心の中では、「知らないと言ったらガッカリされるかも」「バカにされるかも」という葛藤が渦巻いています。
この心理を理解すると、単なるわがままや嘘ではなく、一種のSOSに近いサインであることに気づかされます。
親が「知らなくてもあなたの価値は変わらない」と伝え続けることが、改善への近道です。
私の父親は昭和を代表するような「昭和の父親」でした。
そのため、失敗をあまり許してくれる家ではありませんでした。
こちらも調べてわかったことですが、厳格な家庭や、常に成果を求められる環境にいる子どもは、「知らない=価値がない」という極端な思考に陥りやすい傾向があるそうです。
言われてみれば、常に自分の価値を嘘の中で見出そうとした傾向があったと思います。
「知ってるよ」が口癖になってしまったら

知っ てるよ 口癖
「知ってるよ」が口癖になると、周囲とのコミュニケーションにズレが生じ始めます。
アドバイスを聞き入れなくなったり、学習面で理解不足のまま進んでしまったりと実生活に影響が出ることも。
ではどうしたらいいのでしょうか?
この口癖を改善するには、責めるのではなく「質問の仕方」を変えるのが効果的です。
「これ知ってる?」というYes/Noで答えられる質問を避け、「これについてどう思う?」「どんな風に覚えたの?」と、内容を深掘りするオープンクエスチョンを投げかけてみてください。
答えに詰まったとしても、そこで突き放さず「一緒に調べてみようか」と寄り添う姿勢を見せましょう。
親自身が「お父さんもこれ知らなかった、面白いね!」と、知らないことを楽しむ姿を見せることで、子どもは「知らないことは恥ずかしくないんだ」と学習していきます。
私も自分の子どもが「知ってるよ」と口癖になり連呼するようになると怒りで震えました。
しかし、ここは幼少期の姿を思い出すと私もやっていました。
知ったかぶりを「恥ずかしい」と感じる前に

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成長するにつれ、周囲から「嘘つき」と思われたり、辻褄が合わなくなって孤立したりと、知ったかぶりによるリスクは高まります。
子ども自身が「恥ずかしい思い」をして傷つく前に、親としてできるのは「正しい情報の取り扱い方」を教えることです。
もし明らかな知ったかぶりを見つけても、人前で恥をかかせるのは逆効果。
プライドを傷つけられたショックから、さらに嘘を重ねる悪循環に陥るからです。
二人きりの時に「さっきはああ言っていたけど、実は分からなかったのかな?」「お父さんも昔、同じことがあったよ」と共感を示しながらフォローしましょう。
失敗を「笑い」や「学び」に変える経験を積ませることで、見栄を張る必要のない、等身大の自分を受け入れられるようになります。
6歳の知ったかぶりは「幼児期の万能感」

6 歳 知っ たかぶり
「知ったかぶり」が爆発するのは6歳前後ではないでしょうか?
私の息子も小学生に上がる手前で爆発しました。
6歳頃の子どもに見られる知ったかぶりは、幼児期特有の「全能感」が残っていることが大きな要因ではないでしょうか。
自分は何でもできる、何でも知っていると思い込みたい時期であり、空想と現実の境界がまだ曖昧なこともあります。
保育園や幼稚園では同じ学年同士でも、知識マウントの取り合いです。
「知っている」ことが優越感を高める環境が出来上がっています。
この年齢では、厳しく正すよりも「知っているんだね、すごいね!」と一度満足させてあげるのが得策です。
その上で、「じゃあ、これはどうかな?」とクイズ形式で新しい知識を小出しに伝えていくと、子どものプライドを守りつつ知識を深められます。
小学校入学を控え、期待と不安が入り混じる時期だからこそ、「知っていること」を武器にして自分を保とうとしているのかもしれません。
この時期の知ったかぶりは、成長とともに自然と落ち着くことが多いので、温かく見守ってあげましょう。
低学年の知ったかぶりは「周囲との比較」から

低 学年 知っ たかぶり
小学校低学年になると、学校という集団生活の中で「できる子・できない子」の比較が始まります。
授業で手を挙げる友達を見て、焦りから「自分も知っている」と虚勢を張ってしまうのです。
この時期の対応で大切なのは、結果(知っているかどうか)よりも、プロセス(知ろうとする姿勢)を褒めることです。
「知らないと言えたね」「新しく覚えられて良かったね」と、無知を認めて知識を得たことをポジティブに評価しましょう。
我が家でも、息子が学校の話を盛って話す時期がありました。
しかし、「それ、もっと詳しく教えて!」と深掘りするうちに、自分から「実はよく分からなかったんだ」と打ち明けてくれるようになりました。
親が「正解」を求めすぎないことが、子どもの虚栄心を和らげる鍵となります。
知ったかぶりをする小学生と「発達障害」の可能性

知っ たかぶり 小学生
もし、小学生になっても過度な知ったかぶりが続き、日常生活や学習に支障が出ている場合は、発達障害の可能性も視野に入れる必要があります。
特に疑われる発達障害
ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)
- ASD(自閉スペクトラム症): 相手の意図を読み取るのが苦手で、会話のキャッチボールを維持するために、不適切な場面で「知っている」と定型文のように返してしまうことがあります。
- ADHD(注意欠如・多動症): 衝動性が高く、最後まで話を聞かずに結論を予測して「知ってる!」と言ってしまいがちです。
これらは本人の努力不足ではなく、脳の特性によるものです。
専門知識がないと「嘘つき」に見えてしまいますが、特性を理解すれば「情報を処理しきれていないんだな」と適切な支援(視覚的な指示や短い言葉での説明など)に繋げることができます。
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知ったかぶりをする中学生への接し方

知っ たかぶり 中学生
中学生の知ったかぶりは、幼児期のそれとは異なり、より複雑な「プライド」や「自己防衛」が絡み合います。
思春期特有の同調圧力の中で、仲間外れにされたくない、かっこ悪いと思われたくないという心理が強く働きます。
この年代に対して、親が間違いを論理的に論破するのは厳禁。
かえって反抗心を煽り、対話のシャッターを閉ざしてしまいます。
反抗期の始まりはこう言ったところから始まると考えてもおかしくないでしょう。
中学生には「知らない」と言える環境よりも、「知らなくても尊重される関係性」が重要です。
親が専門外のことを子どもに教わったり、「最近のことはよく分からないから教えて」と頼ったりすることで、子どもの優位性を認めつつ、自然な形での情報交換を促しましょう。
知ったかぶりを指摘するのではなく、客観的な事実を確認する習慣を一緒に作ることで、社会に出た時のリスクを減らしていけます。
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まとめ:否定を捨てて「一緒に学ぶ」楽しさを伝えよう

子どもの知ったかぶりは、最初は親をイライラさせるものかもしれません。
しかし、その根底にあるのは「認められたい」「繋がりたい」という健気な願いです。
成功した療育・対応のポイント
私自身、発達がゆっくりな我が子の「知ってるフリ」に悩んだ時期がありました。
効果があったのは、親が意識的に「分からない」と笑って言ってみせることでした。
「お父さんこれ分かんないや、調べてくれる?」と頼ることで、子どもは「知らないことは恥ではなく、誰かの役に立つきっかけになる」と学んだようです。
ネガティブな「嘘」を、ポジティブな「知りたい意欲」へ変換してあげられるのは、一番近くにいる親だけです。
完璧を目指す必要はありません。
今日からは「知ってる!」と言われたら、「そうなんだ、じゃあ一緒に見てみようか」と一歩踏み込んでみませんか。
その積み重ねが、子どもの本当の自信へと繋がっていくはずです。
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