
学習障害 親ができること
自分の子が学習障害(LD)だと診断されたとき、最初は「どうしてうちの子が…」と落ち込んだし、自分を責めてしまったのを覚えています。
でも、それは親として当然の感情でしょう。
しかし大切なのは、そこで下をむき続けないことでしょう。
学習障害は、親の努力不足や育て方のせいじゃない。
脳機能の特性によるもので、決して治らない病気でもない。
診断を受けた当初は、将来が不安で仕方なかったけれど、今はタブレットを使ったオンライン授業など、その子に合った学び方があることを知って、希望を見いだせています。
自分の子も、得意なことを見つけてグンと伸びた時期があったことは間違い無いです。
むしろ、小学校・中学校でも導入されているタブレット授業を家庭でも使わない方が損ですし、限界もあります。
特性を理解し、適切な支援や教材を使うことで、将来、自立した充実した生活を送ることは十分可能だと思います。
これから、私の子どもを育てた経験や、仕事で学んだ相談支援専門員としての知識も交えながら、親としてできること、将来の可能性について伝えていきます。
目次
- 1 学習障害を持つ親ができることは「環境調整」と「強みの発見」
- 2 学習障害を生むのは親のせいではない!原因は脳機能の偏り
- 3 学習障害は遺伝する確率はある?影響はあるが単一原因ではない
- 4 学習障害は何人に一人?社会的な課題と共存
- 5 学習障害に支援方法?特性を活かす教育と療育
- 6 学習障害の違和感を感じた一年生 2つの症状とは?
- 7 学習障害の中学生が感じる特徴とは?
- 8 学習障害の中学生にあった勉強方法
- 9 学習障害の中学生でも得意なことを目指した進路
- 10 学習障害の女子中学生に見られる特徴
- 11 発達障害は親のせいではなく遺伝的要因が深く関わっている!
- 12 おすすめ教材 ICT活用教材「すらら」
- 13 まとめ:未来への希望と可能性
学習障害を持つ親ができることは「環境調整」と「強みの発見」

学習障害 親ができること
学習障害の子を持つ親として、まず大事なのは「特性の理解と受容」が大切です。
できないことを責めるのではなく、「こういう特性があるから、このやり方が難しいんだね」と理解してあげること。
これは本当に大きな一歩だった。
昭和の時代で育った私は、できないことを責められて育った世代で肩身の狭い思いをしたことを思い出しました。
具体的に親ができることは、「環境調整」と「強みの発見」。
簡単に表でまとめてみました。
| 項目 | どんなこと? | 具体例 |
|---|---|---|
| 環境調整 | 苦手なことをカバーできるように、勉強のやり方や道具を工夫すること | ・読み書きが苦手 → タブレット入力、音声読み上げを使う ・視覚情報が苦手 → 色を少なくしてシンプルにする ・課題が多いと混乱 → 小さく分けて出す |
| 強みの発見 | 得意なこと・好きなことを見つけて伸ばすこと | ・絵が得意 → イラストでまとめる学習方法を使う ・想像力が豊か → 自作ストーリーで自信UP ・人をまとめるのが上手 → 係活動や班長で活躍 |
| 強みを褒める理由 | 自信がつくと、ほかの勉強へのやる気にもつながるから | ・「できた!」が増える → 自信が育つ ・やる気アップ → 困難な教科にも向き合いやすくなる |
親が不安でいると子どもにも伝わるから、まずは親自身がLDについて正しく理解し、前向きな姿勢を見せることが何よりの支援になるはずです。
学習障害を生むのは親のせいではない!原因は脳機能の偏り

学習障害 原因 親
「もしかして、私の育て方が悪かったのかしら…」と、多くの親は自分を責めてしまうでしょう。
けれど、学習障害は親の育て方や愛情不足が原因ではないので、絶対に自分を責めないでください。
学習障害の主な原因は、脳機能の偏りにあると言われています。
これは、文字の認識や音の処理など、特定の認知機能に生まれつき違いがあるということ。
原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っているのが実情です。
| 項目 | どんな内容? | ポイント |
|---|---|---|
| 遺伝的要因 | 家族の中に学習障害やADHDなどの人がいると、同じ特性が出る場合がある | ・病気が「うつる」という意味ではない ・あくまで“なりやすさ”が少し高くなるだけ |
| 周産期要因 | 生まれる前後の状態のこと | ・早産や低出生体重がリスクに含まれることがある ・必ず発達障害になるわけではない |
| 環境要因 | 育った環境の影響(言葉の刺激など) | ・育て方が原因と決めつけられるものではない ・影響する可能性があると言われている程度 |
私が相談支援の現場で見てきた経験から言えるのは、原因探しに時間を費やすよりも、「今、この子に何ができるか」にエネルギーを注ぐことではないでしょうか?
親のせいではないということを心に留めて、前向きに支援していきましょう。
学習障害は遺伝する確率はある?影響はあるが単一原因ではない

学習障害 遺伝 確率
学習障害(LD)は、遺伝的な要因が深く関わっていると考えられていますが、その確率は「必ず遺伝する」という単純なものではないです。
LDは一つの遺伝子だけで決まるものではなく、複数の遺伝子が関与し、さらに環境要因も加わって発現すると言われています。
なので確率を明確に示すのは難しいのが現実です。
発達障害の遺伝は「親のせい」という単純なものではなく、「遺伝的要因はあるが、環境も大きく影響する」という、科学的な研究結果に基づいた理解を深めることができます。
いくつかの研究では、LDを持つ親がいる場合、その子どもがLDを持つ確率は一般集団よりも数倍高くなるという報告もあります。
例えば、ある特定の読字障害の場合、遺伝率は高いとされていますが、あくまで「なりやすさ」が遺伝であって、「病気そのもの」が100%遺伝するわけではありません。
この脳の特性が、特定の環境や学習方法と合わないときに、学習面での困難として現れると言われています。
だからこそ、その特性を理解し、適切な環境と学習支援を整えることが、子どもの可能性を大きく左右します。
親の遺伝だからと悲観せず、希望を持って欲しいと伝えたいです。
学習障害は何人に一人?社会的な課題と共存

学習障害 何人に一人
学習障害(LD)を持つ子どもがどれくらいいるのか、正確な数字を知ることは、支援の必要性を理解する上で大切です。
文部科学省の調査(2022年)によると、公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、LDを含む発達障害の可能性のある割合は10.4%に上っています。
通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について
医師の診断によるものではない点に留意が必要です。特別な教育的支援を必要とする児童生徒数の割合を示している。
参考: 文部科学省 報道発表資料
つまり、約10人に1人は、何らかの困難を抱えている可能性があるということです。
LD(限局性学習症)単独で見てみると、2~8%程度、特に読字障害は5%程度とも言われています。
これは、決して「特別な子」ではなく、「普通にいる子」だということです。
大切なのは、この数字が示すように、学習面でつまずく子どもは決して少なくないということ。
そして、彼らが「怠けている」のではなく、「脳の特性からくる困難に直面している」という事実を、学校や社会全体が理解していく必要があるでしょう。
早期に気づいて適切な支援を受けられれば、将来の可能性は大きく広がることでしょう。
学習障害に支援方法?特性を活かす教育と療育

学習障害 支援方法
学習障害の子どもへの支援は、「できない部分を補う」と同時に「得意な部分を伸ばす」という両輪で進めることが重要です。
| 項目 | どんな内容? | 具体例 |
|---|---|---|
| 個別化された指導計画 | その子の苦手に合わせて、学習の方法を変えること | ・書字障害(ディスグラフィア)→ 漢字練習よりタイピングを使う ・読字障害(ディスレクシア)→ 音声教材やマルチセンソリー教材を使う |
| 補助ツールの活用 | ICT機器を使って学習を助けること | ・タブレット学習 → 自分のペースで繰り返し学べる ・オンライン教材 → 集中しやすい環境を作れる |
| 自己肯定感の向上 | 自信を育てることで、学習意欲を高める | ・できたことを褒める ・失敗しても挑戦した姿勢を評価する |
| ソーシャルスキルのトレーニング(SST) | 友だちとの関わり方を練習すること | ・あいさつの仕方、話す順番、断り方の練習 ・困った時の伝え方を学ぶ |
私の子の支援を考えるときも、このバランスをいつも意識して育てていました。
学習障害の違和感を感じた一年生 2つの症状とは?

学習障害 一年生 症状
私が何となく違和感を感じたのは小学校一年生の2学期が終わる頃でした。
早い段階で、この頃に「あれ?」と気づく親御さんも多いのではないでしょうか?
私自身も、うちの子が他の子と違うサインを出し始めたのはこの時期でした。
サインは大きく分けて2つ。
※読み書きのサイン
| 項目 | どんなサイン? | 具体例 |
|---|---|---|
| 読み書きのサイン① | 文字の読み書きの習得がゆっくり | ひらがな・カタカナがなかなか覚えられない |
| 読み書きのサイン② | 文字の形が安定しない | 鏡文字を書く 同じ文字でも毎回形が違う |
| 読み書きのサイン③ | 似た形・音の区別が苦手 | 「あ/お」「め/ぬ」などの区別がつきにくい 「ば/ぱ」「が/か」など音の違いが分かりにくい |
| 読み書きのサイン④ | スラスラ読めない | 文章を一字ずつ区切って読む |
※算数のサイン
| 項目 | どんなサイン? | 具体例 |
|---|---|---|
| 算数のサイン① | 基本的な計算の理解が難しい | 一桁の足し算・引き算が身につきにくい |
| 算数のサイン② | 計算が指頼りになりやすい | 指を使わないと計算できない、時間がかかる |
| 算数のサイン③ | 数の応用が苦手 | 時計が読みにくい お金の計算でミスが多い |
一年生が終わっていない時点で、まだ発達の個人差も大きいから、すぐに診断を急ぐ必要はないですが「この子は努力していないわけではない」という視点を持ちましょう。
その上で専門機関に相談も検討する必要があるかもしれません。
早期発見・早期支援が将来の可能性を広げる可能性があります。
学習障害の中学生が感じる特徴とは?

学習障害 中学生 特徴
中学生になると、学習内容の抽象度が一気に高まり、学習障害を持つ子どもたちはより深刻な困難に直面することが多いことでしょう。
うちの子も小学校の頃より「自分はダメだ」という自己否定感を強めてしまい、心が痛めた思い出があります。
主に学習面と心理面・行動面の特徴をまとめました。
※学習面
| 項目 | どんな特徴? | 具体例 |
|---|---|---|
| 長文読解・要点把握 | 教科書や文章の内容を理解するのが苦手 | 長い文章の意味をまとめられない、重要なポイントがわからない |
| ノートの取り方 | 板書を写すスピードが遅い | 授業中にノートが間に合わない |
| 英語学習 | スペルや文法の習得が難しい | 英単語や文法のルールを覚えるのに時間がかかる |
| 複雑な思考 | 段階的な思考が必要な問題が苦手 | 連立方程式や証明問題でつまずく |
※心理面・行動面
| 項目 | どんな特徴? | 具体例 |
|---|---|---|
| 不登校・問題行動 | 学習困難からくる二次障害が出やすい | 学校に行きたくない、授業中に集中できずトラブルになる |
| 自己肯定感の低下 | テストの点が取れないことで自信を失う | 「自分はできない」と思い、無気力になる |
| 劣等感・逃避 | 苦手なことから逃げる傾向がある | 得意なことや趣味に過剰に没頭する |
中学生の特徴を理解することは、二次障害を防ぐ上でとても重要です。
親は学力だけでなく、心のケアにも目を向けてあげてください。
学習障害の中学生にあった勉強方法

学習障害 中学生 勉強方法
中学生になり学習が複雑化しても、「その子に合った方法」を見つければ成績を上げることは可能です。
一般的な勉強法を強要するのは、かえって子どもの自信を失わせるから注意が必要。
そこで考えた効果的な学習の工夫(ICT活用+視覚化・構造化)を取り入れました。
むしろ小学校・中学校でも導入しているICTなので、家でも導入することは自然なことでした。
| 項目 | どんな工夫? | 具体例・メリット |
|---|---|---|
| オンライン授業 | タブレットやPCで授業を受け、自宅で学習 | ・苦手な単元を何度も繰り返せる ・理解度に合わせて進度を調整できる ・学校の授業についていけなくても自宅で学習可能 ・手書き不要で書字障害の子に便利 |
| 音声入力・読み上げ機能 | レポート作成や教科書学習をサポート | ・音声で文章作成できる ・重要な教科書内容を耳から学べる |
| 視覚化 | 暗記や整理を図や表で分かりやすくする | ・図や表、色分けで情報を整理 ・内容が頭に入りやすい |
| 構造化 | 課題や時間の管理を明確にする | ・ToDoリストやチェックリストでやることを明確化 ・学習時間を短く区切って集中力を維持 |
「正しい努力」ではなく、「得意な方法での努力」に変えるだけで、成果は必ず出てきます。
学習障害の中学生でも得意なことを目指した進路

学習障害 中学生 進路
中学生にとって、高校受験やその先の進路は大きな壁に感じられるかもしれません。
でも、学習障害があるからといって、進路の選択肢が狭まるわけではないので安心してください。
うちの子も、自分に合った道を見つけることができています。
高校の選択肢と将来の可能性として表にまとめました。
| 項目 | 内容 | ポイント・メリット |
|---|---|---|
| 特別支援教育のある高校 | LDなど学習障害の子への配慮が整っている高校 | ・テスト時間延長 ・代筆やPC使用の許可 ・学習面で困難があっても安心して学べる |
| 通信制・定時制高校 | 自分のペースで学習できる高校 | ・得意分野を深める時間が取れる ・単位取得に柔軟性がある ・二次障害で不登校になった子にも向く |
| 専門性の高い職業高校 | 実技や実習が多く、強みを活かせる高校 | ・学習面で苦手があっても、得意分野で活躍できる ・将来の進路に直結しやすい |
| 将来の可能性 | 学習障害があっても多様な分野で成功可能 | ・非認知能力(忍耐力・問題解決力・創造性)を活かせる ・オンライン学習でITスキル習得も可能 ・起業家、芸術家、ITエンジニアなど様々な進路がある |
「できないこと」ではなく、「得意なこと」から将来を逆算して一緒に進路を考えてあげてください。
学習障害の女子中学生に見られる特徴

学習障害 中学生 女子 特徴
学習障害を持つ中学生の女子は、男子とは少し異なる特徴や困難を示すことがあります。
まー障害を持たない中学生でも同じことですが・・・。
特に思春期ということもあり、「周りの目」や「友達との関係」を気にすることで、困難が表面化しにくい傾向があります。
皆さんも子どもに思い当たる節はありませんか?
大きく分けて3つの特徴を表にまとめました。
| 項目 | どんな特徴? | 具体例・注意点 |
|---|---|---|
| カモフラージュが上手 | 学習のつまずきを隠すことが得意 | ・真面目に努力しているように見えるが、成績が伸びない ・板書が追いつかない時、友達のノートを借りて写すなどで対応 ・教師や親が気づきにくい |
| コミュニケーションの困難 | 相手の気持ちや表情を読み取りにくい | ・グループ活動や複雑な友達関係でつまずきやすい |
| 内面化しやすいストレス | 「できない」ことを言えず、ストレスを自分の中にためやすい | ・不安や抑うつとして現れることがある ・摂食障害や不登校など二次障害につながる場合があるので注意 |
「大丈夫そうに見える」子ほど、実は深い悩みを抱えていることでしょう。
親は、学力だけでなく、心の声に耳を傾けて安心して話せる環境を作ってあげることが大切ですね。
発達障害は親のせいではなく遺伝的要因が深く関わっている!

発達障害 親のせい 遺伝
「発達障害は親のせいではない」と、私は強く言いたいです。
子育て体験談としても、相談支援専門員としての経験からも、これは断言できます。
発達障害(学習障害、ADHD、自閉症スペクトラムなど)の原因は、親の育て方や愛情不足とは一切関係ない。
繰り返しになりますが、主な原因は脳の機能的な特性であり、遺伝的要因が深く関わっています。
親の遺伝子が子に受け継がれる過程で、特定の脳機能の特性が発現しやすくなるということ。
これは「風邪を引きやすい体質」が遺伝するのと同じようなもので、親が悪いわけではありません。
もしあなた自身が、子どもの頃に「読むのが苦手だった」「不器用だった」と感じていたなら、それは遺伝的な特性を共有している可能性があります。
それは、子どもを理解する上での強みになるはずよ。
自分を責める時間を、子どもの得意なことを見つける時間に変えて欲しいです。
親の愛情と適切な支援があれば、子どもは必ず希望を見つけて成長できるはずです。
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子どものつまづきに寄り添い、無学年で基礎から丁寧に学習し直せるツールは、自己肯定感を下げずに学力を向上させる強力なサポートとなります。
子どもの学習特性に合った最適な学びの環境を整えることは、将来、大人になって社会で自立し、自分の能力を活かして活躍するための、何よりの土台となります。
不安を抱えるのではなく、特性を理解し、適切なツールを使いながら、前向きに子どもの成長をサポートしていきましょう。
まとめ:未来への希望と可能性

うちの子が学習障害だと分かってから、私たち親子は様々な困難に直面したけれど、決して「諦め」はしませんでした。
学習障害は「特定の学習が苦手なだけで、それ以外の能力は高い」という意外な特性を持っています。
例えば、読字障害の人が驚くべき空間認識能力を持っている、なんてことは珍しくありません。
適切な支援、特にタブレットを使ったオンライン授業のような「その子の特性に合った学び方」を見つけることで、学習の困難は大きく軽減できます。
これは将来、社会で活躍するための「武器」を、子どものペースで磨くことと同じです。
学習障害を乗り越える過程で、子どもは困難に立ち向かう力、諦めない忍耐力、そして独自の創造性を育みます。
これは、将来どんな道に進むにしても、かけがえのない強みになるはずです。
親のせいだと悩まず、「個性」として受け入れ希望を抱いて支援を続ければ、必ずその子らしい豊かな未来が待っています。
↓↓ 発達障害の子どもの個性や特性を活かした学習法 ↓↓
