児童の発達障害

【知って欲しい】同じ事を何度も言う発達障害!特性と前向きな向き合い方

同じ事を何度も言う 発達障害

「さっきも言ったのに……」と、何度も同じ話や質問を繰り返されると、どんなに愛情があっても疲れてしまうものです。

しかし、この「繰り返し」は単なる「しつこさ」ではなく、彼らの脳の特性からくる一生懸命なコミュニケーションの形でもあります。

私も相談支援専門員や療育支援をする中で、何度「しつこい」と思って疲れを感じたことか。

ですが、その疲れを態度で示すことは信頼関係に大きく影響します。

この記事では、発達障害(ASD/アスペルガー)の特性を正しく理解し、お互いが楽になれる対応や療育の視点をお伝えします。

最後に参考書としてオススメの本を紹介しています。

最後まで読んでください。

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同じ事を何度も言うしつこい病気?特性としての理解

同じ 事 を何度も言う しつこい 病気

「何度も同じことを言うのは何かの病気?」と不安になるかもしれません。

医学的には、これは病気というよりも「脳の発達の凸凹(特性)」と考えられています。

特に自閉スペクトラム症(ASD)の場合、自分の関心が一点に集中しやすく、一度気になったことを頭の外に出すのが難しいという側面があります。

周囲からすると「しつこい」と感じる行動も、本人にとっては「確認して安心したい」「大好きなことを共有したい」という切実な願いの表れです。

決してあなたを困らせようとしているわけではありません。

この特性を「こだわり」という言葉で片付けてはいけません。

まずは「今の彼(彼女)には、この確認が必要なんだな」と一歩引いて捉えることが、心の余裕を生む第一歩となります。

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同じ話を何度もする人「アスペルガー」特有のこだわり

同じ話を何度も する人 アスペルガー

アスペルガー症候群(現在の診断基準ではASDに包括)の方は、言語能力が高いために一見するとスムーズに会話ができているように見えます。

しかし「相手がどう感じているか」という想像力を働かせることが苦手なため、同じ話を何度も繰り返してしまいます。

それでも本人は相手が退屈していることに気づきにくいのです。

彼らにとって、自分の好きなトピックを話すことは、心の安定を保つための「儀式」のようなもの。

特定の知識をアウトプットすることで、混沌とした世界を整理しようとしています。

また、記憶の保持の仕方が独特で、話したという事実よりも「その時の高揚感」を求めて、無意識にリピートしてしまう場合も少なくありません。

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アスペルガーが同じ話を繰り返す「情報処理」の癖

アスペルガー 同じ 話を繰り返す

アスペルガーの方が同じ話を繰り返す背景には、「シングルフォーカス(狭い関心)」という特性が関係しています。

一度に一つのことにしか意識を向けられないため、話したいことが頭に浮かぶと、それ以外の情報はシャットアウトされてしまいます。

「以前に話した」という過去の記憶と、「今話したい」という衝動がうまくリンクしないのです。

これは、脳内の情報の交通整理が少し苦手な状態と言い換えられます。

専門的な視点で見ると、これは「中枢性統合(物事全体を捉える力)」の弱さからくるものです。

しかし、逆を言えば、それだけ一つのことに深い情熱を注げる才能の裏返しでもあると言えます。

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アスペルガーが同じことを何度も言うのは安心の確認

アスペルガー 同じことを何度も 言う

アスペルガーの方が何度も同じことを言うもう一つの理由は「強い不安」です。

彼らにとって世界は予測不能で、常に不安と隣り合わせ

そこで、すでに答えを知っている質問を繰り返すことで、「いつもの答え」が返ってくることを確認し、安心感を得ようとします。

「明日は雨降る?」と10回聞くのは、天気を知りたいのではなく、「大丈夫だよ」という変わらない返答を求めているのです。

この場合、内容に真面目に答えるよりも、「あ、確認して安心したいんだな」と意図を汲み取ることが大切。

返答をルーチン化して「1回目は詳しく、2回目以降は短く」といったルールを決めるのも、お互いの負担を減らす有効な手段になります。

これは実際に質問したことですが、私の担当している方で、何度も同じことを確認する方がいますが、いつか聞いたことがあります。

「何でそんなに確認をするの?」

「だって自分がやっていることが不安でしかないから」

やはり安心を求めているのだと気づきました。

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自閉症が同じ言葉を繰り返す際の適切な対応

自 閉 症 同じ言葉を繰り返す 対応

これは自閉症(ASD)の方へ、私が体験して失敗したことでもあったのですが、自閉症の方の言葉を無理に止めたことがあります。

結果として、不安定になりいつも以上に言葉が繰り返されたことを覚えています。

自閉症の方が同じ言葉(エコラリアや即時・遅延のエコー)を繰り返すとき、無理に止めさせるのは逆効果です。

対応のコツ

「視覚的な提示」と「終わりの明確化」

視覚化: 「もう終わり」と口で言うだけでなく、時計を見せたり、紙に「あと1回」と書いたりして視覚に訴えます。

肯定的なフィードバック: 「その話、よく覚えてるね」と一度受け止めてから、「今は別の時間だよ」と切り替えます。

無理に止めることで、本人が思っている「止める」見立てを妨害しているのでパニックになるのは明白です。

上記の「対応のコツ」のように段取りを踏んで止めることが必要です。

詳しい対応については、LITALICO発達ナビなどの専門サイトでも具体的な事例が紹介されています。

療育の現場では、これらを「適切なコミュニケーションスキル」への置き換えとして指導します。

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ASDが同じことを何度も言う特性をメリットに変える

asd 同じことを何度も 言う

ASDの方が同じことを何度も言うのは、デメリットばかりではありません。

実は大きな強みにもなり得ます。

療育の立場から見れば、この「執着」は「圧倒的な専門性」や「記憶力」源泉です。

同じ言葉を繰り返すほど、その分野に対する知識は深まり、大人になった時に驚くべきスキルを発揮することがあります。

何度も同じことを言う行動を「ダメなこと」と否定するのではなく、「そこまで熱中できるものがあるんだね」と肯定的に捉えてみましょう

その熱量を、図鑑づくりや創作活動など、アウトプットの形を変えるよう導くことを提案する前向きな療育の形だと思います。

一つのことを追求し続ける力は、将来、職人や技術者として輝くための大切な種なのです。

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何度も同じ事を言う障害は子どもなら「心の安全基地」

何度も同じ 事 を 言う 障害 子供

ここからは親子目線で解説します。

自分の子どもが同じことを何度も言う場合、それは親という「安全基地」を求めているサインではないでしょうか。

子どもは発達の過程で、自分の言葉が相手に通じる喜びを何度も確認しながら成長します。

発達障害がある場合、その確認作業が人一倍必要になります。

「さっきも言ったでしょ!」と突き放したくなる気持ちは痛いほどわかります。

心に余裕がないときは特にそうです。

ですが、そんなときは「まだ確認が必要なんだね」と一呼吸置いてください。

親が動じずに受け止め続けることで、子どもの情緒は安定し、徐々に繰り返し行動は落ち着いていく傾向にあります。

言葉を遮るのではなく、「〇〇だったね」とオウム返しで返すだけで、子どもは満足することもあります。

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何度も同じ事を言う障害の大人は社会での調整が必要

何度も同じ事を言う障害大人

大人の場合、社会生活での摩擦が問題になりがちです。

私の担当する発達障害の方も一般就労をしているときに摩擦を生じて仕事を休職したり辞めることになった方は多くいます。

職場や地域で「空気が読めない」と誤解されるのは辛いものです。

ある自立訓練事業所のプログラムでは「クローズドな環境での発散」「ルール化」を学んでいる事業所があります。

例えば、「この話をしていいのは昼休みの10分間だけ」と自分の中でルールを作ったり、信頼できる支援者や家族に対してだけ思い切り話す場所を作ったりします。

また、SNSや日記など、独り言を吐き出せる場を持つことも有効で、担当の方も実践をして効果に結びついていました。

こういった実践を通して、周囲の方には「この特性は脳の回路によるものだ」という理解を広めるサポートをし、本人が社会の中で孤立しないような環境調整を一緒に行っていくことが効果的です。

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発達障害で同じ言葉を繰り返す大人との付き合い方

発達障害 同じ 言葉を繰り返す 大人

身近な大人が同じ言葉を繰り返す場合、聞き手側が倒れないための「セルフケア」が最優先です。

真面目に向き合いすぎず、適度な「聞き流し」をスキルとして身につけてください。

「その話、以前も聞きましたよ」と事実を淡々と伝える勇気も必要です。

相手が悪気なく繰り返しているのと同様に、あなたも悪気なく「今は聞けない」と言っていいと思います。

第三者の目線から見れば、お互いの境界線をはっきりさせることが、長続きする関係の秘訣ではないでしょうか。

障害福祉サービスの「自立訓練」などを通じて、本人にも「自分の特性が周囲にどう見えているか」を客観的に知ってもらう機会を作るのも一つの方法でしょう。

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まとめ:アスペルガーとASDの比較とおすすめの本

最後に、アスペルガーとASD(自閉スペクトラム症)について整理します。

かつては知能指数や言語発達の遅れの有無で「アスペルガー症候群」と「自閉症」を分けていましたが、現在は一つの連続体(スペクトラム)として統合され、「ASD」と呼ばれています。

アスペルガー的な傾向が強い方は「言語による繰り返し」が多い傾向があります。

自閉傾向が強い方は「言葉そのものの反復(エコラリア)」が多いという特徴がありますが、根本にあるのは「変化への不安」や「強いこだわり」です。

これらの特徴や対応方法を身につけて実践してみてください。

「何度も同じことを聞いてきて辛い」と思っていたことが、実践することで気持ちが楽になることもあります。

今回のブログで紹介した実践したオススメの本を紹介しています。

1. 『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』

この本の最大の特徴

  • 「褒めて伸ばす」の具体化: 抽象的な精神論ではなく、「行動」に着目して、良い行動を増やす仕組みを作ります。
  • 「できない」を「できる」に変える: 叱ってやめさせるのではなく、適切な行動を教えて定着させるアプローチです。

行動を「3つの箱」に分ける

本書で最も有名なメソッドが、子どもの行動を以下の3つに分類する考え方です。これにより、親のイライラが劇的に減ります。

分類 行動の例 親の対応(魔法の言葉かけ)
① 好ましい行動 片付けをした、静かに座っている すぐに具体的に褒める(「座れてかっこいい!」)
② 好ましくない行動 ぐずぐずする、不適切な言葉 徹底して無視(スルー)する。適切な行動をした瞬間に褒める。
③ 許されない行動 他人を叩く、飛び出す 短く、低く、静かに制止する。感情的に怒鳴らない。

具体的な「魔法のテクニック」

具体的なコミュニケーションの例

テクニック名 具体例・アクション 効果とポイント
肯定形で伝える ×「走らないで!」
○「歩こうね」
「禁止」ではなく「してほしい行動」を伝えることで、子どもが次に何をすればよいか迷わず行動しやすくなります。
スモールステップ(25%ルール) 靴をきれいに並べるのを待たず、
「靴を脱ごうとした瞬間」に褒める
100点を求めず、やり始めた行動(25%)を認めて褒めることで、子どものやる気と自信を育て、行動の継続につながります。
25秒ルール 良い行動をしたら、25秒以内に褒める 記憶が新しいうちに褒めることで、「どの行動が良かったのか」を正しく理解でき、良い行動が定着しやすくなります。
予告の魔法 「あと5分で終わりだよ」
「これが終わったらおやつだよ」
先の見通しを示すことで、急な変化が苦手な子でも心の準備ができ、気持ちの切り替えがスムーズになります。

このように、実践ですぐに利用できるテクニックを詳しく書いています。

2. 『マンガでわかる アスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド』

本書の最大のメッセージ: 「歩み寄り」の地図

この本は、アスペルガー症候群の人を「変えよう」とする本ではありません。

メモ

  • 特性は「脳のタイプ」の違い: 悪気があるわけではなく、情報の受け取り方や処理の仕方が定型発達の人と異なるだけ。
  • 相互理解の重要性: 周囲が特性を理解し、環境や伝え方を少し変えるだけで、トラブルの8割は防げるという視点。

コミュニケーションを円滑にする「4つの鉄則」

具体的なコミュニケーション術の例

ポイント 具体的なアクション(例) なぜ効果的なのか(理由)
① 具体的に、短く伝える ×「適当にやっておいて」

○「15分で3部コピーして」
(数字や固有名詞を使う)
曖昧な表現(ちゃんと、適当に等)は混乱を招きます。数字や固有名詞を使うと、正しく伝わります。
② 視覚情報を活用する(見える化) 言葉だけで指示せず、「メモ・図解・スケジュール表」を併用する。 耳からの情報は消えやすく、記憶に残りにくい特性があるため、目に見える形にすると安心感に繋がります。
③ 「暗黙の了解」を言語化する 「空気を読んで」と期待せず、マナーやルールを一つずつ言葉で説明する。 行間を読んだり空気を察したりすることが苦手なため、言葉で明確に定義することで正解がわかります。
④ 予告して見通しを立てる 「◯時に出発するよ」
「次はこの作業だよ」と事前に伝える。
急な予定変更は強い不安やパニックの原因になります。先の予定がわかると、落ち着いて行動できます。

マンガ形式だからこその「あるある」共感力

  • 心理的ハードルが低い: 活字だけでは理解しにくい「独特の空気感」や「すれ違いの瞬間」がマンガで可視化されている。
  • 当事者の視点がわかる: 「なぜ彼らがああいう行動をとるのか」という本人側の心理も描かれているため、感情的な対立を防げる。

周囲の人のセルフケア

本書では、接する側(家族や同僚)が疲れ果ててしまう「カサンドラ症候群」についても触れられています。

  • 「頑張りすぎない」ことの大切さ: 適切な距離感の取り方や、専門機関への相談など、サポート側のメンタルを守るアドバイスも充実しています。

アスペルガー症候群(現在の診断名では自閉スペクトラム症 / ASD)の特性を持つ人と、その周囲の人が「お互いに楽に過ごすための知恵」をまとめた超実践的なガイドブックです。

 

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